Only Our Memory

私一人では多分難しいから、今はとにかく蓮の存在が必要だった。



だから連にメールを送る。




『駆琉、記憶なくしてた。
何も覚えてないって。

私たちがしてあげられること、なにかないかな?』




すぐに携帯がなった。



蓮からの着信だった。




「もしもし」




『ちづる!それ本当!?アイツ、まじで記憶ねーの…?』




「…うん。」




『嘘、だろ…。』




嫌でも信じなくてはいけない事実で。



嘘だと思いたくてもそれが真実。



きっと私たちができることは、今までの思い出を聞いてもらうこと。



駆琉の側にいること。



そして、記憶を辿ること。