駆琉が目を覚ましてから
一週間がたった。



病院に行っても駆琉はいつも寝ているから、わからなかったけど、

だいぶ回復してきたようで。



行くと駆琉は上半身を起こして窓の外を眺めていた。




「駆琉、もう大丈夫なの?

起きてて平気?」




その言葉にくるっと振り返った。



目が合ったのに、返事はない。




「どうしたの?」




様子がおかしかった。



いつもの駆琉なら優しく微笑んでくれるのに。



無視なんて絶対にしないのに。




「…わからないんです。」




「え…?」




「何も覚えてないんです。僕が誰なのかも。」