Only Our Memory

「それでさ、俺、ずーっとちづのこと好きだったんだけど。

昔すぎて、もう遅い?」




はにかみながら、私の顔をのぞき込む。



大きく首を横にふる。



ずっと忘れてた。



こんな大事なことを。




「遅くなんてないよ。」




「そっか、良かった。じゃあ、俺の彼女になってくれる?」




「うんっ!」




私が笑ったら、駆琉も笑顔になった。



そして、私の右側で小指をからめた。




「知ってた?相手の利き手を握るってことは、その人を守りたいと思ってるからなんだって。」




「どうして?」




「自分の利き手を開けとけるから。もしもの時、ね。

ま、俺は無意識だったんだけど。」




無邪気に笑う駆琉は、忘れていたあの頃と変わらない笑顔だった。