Only Our Memory

4月に入り、私は2年生になった。



クラス替え。



玄関の扉に張り出される紙に、みんなが釘付けになる。



遠くから自分の名前を見つけた。



2組だ。



別に何組だっていいけど。



そんな気持ちで教室に向かう。



そしたらね、いるの。



1番会いたくなかった人が。




「あ…おはよ。同じクラス、だね。」




って、蓮が言って




「うん、だね。」




私が返す。ただそれだけの会話。



なのに、ギクシャクした空気が流れる。




「あのさ、ちづ…




「一緒だね!ちづるちゃん♪」




何かを言いかけた蓮に、かぶせるように、後ろから話しかけてきた人。



聞き覚えのある声。



ゆっくりと振り返る。




「あ…」




「よっ!久しぶり。」




そこにいたのは、
もう一度会いたかった

彼。