Only Our Memory

「…っ、ごめん、なさい。」




「ふふっ、落ち着いた?送ってこうか?ちづるちゃん?」




「なんで、名前…。」




彼とは初対面のはずなのに、どういうわけか私の名前を知っていた。




「なんでだろうね?ははっ。ついでにいうと、家も知ってます笑」




「ストーカー!?」




もうワケがわからない。




「や、ちげーし笑。…帰ろ?」




でもこれ以上は、迷惑はかけたくない。




この人を、私の都合で振り回したくなかった。




「一人で帰れる。」




「だめ。女の子を一人で帰すとか出来ねーよ。」




「でもっ」




「いいから、送られろって。」




冷たくそう言って、かたくなに動かない私の手を掴んで、

引っ張るようにして歩いていく。