中学1年。



私と蓮は同じクラスだった。



社交的な蓮はクラスメイトとすぐに打ち解けていた。



もちろん私とも。



最初は苗字で呼びあってた。




「葉山君はさ。」




いつものように話していたとき




「苗字呼びやめない?」




蓮が私の声を遮ってそう言った。




「じゃあ、なんて呼ぶの?」




今更呼び方を変えるのは、ちょっと恥ずかしかった。




「え?蓮でしょ。」




何その、当たり前だろ。

みたいな。



だけど小さい声で呟いてみる。




「れ、ん…。」




言ってみればなんてことはなかった。