Only Our Memory

「あ、授業始まっちゃった。戻らないと。」




戻ろうと、歩き出した私の腕を掴んで動きを止めさせた。




「大丈夫だって。それにさ、その顔で戻れんの?」




「え?」




その顔?



頬に手を当ててみると、熱をおびていた。



あっつ…。



涙のせいできっと目は赤くなっているだろう。



こんなの恥ずかしくて、教室に入れない。




「とりあえず鏡見てこいよ。すげーから笑。んで、落ち着いたら戻ろ。」




女の子の顔見て笑うとか、なんて失礼な!



って思ったけど、鏡を見なくても顔が赤くなっているのがわかる。



だから否定も出来なくて。




「うん。そーする。」




今は蓮の言うことに従って、水飲み場に急いだ。