時間が経つと、こんなにも景色が変わって見えるんだ。



あの頃の私には見えなかった風景が広がる。



私も成長したなって実感した。



なのに駆琉は眉をハの字にして私をじっと見つめる。




「ちづ、そこ危ないよ。」




「平気だよ。そんなに高くないし。」




「でもっ、落ちるかも…。」




「どうしたの?心配しすぎ。」




「あんな思いをするのはもう嫌だ…。」




あんな思い…?



私の怪我のこと?



でも私、まだ話してないよ。



今の駆琉に。