起きろよ遅刻するぞ

隣に住む結愛(ゆい)を朝電話で起こすのが今となっちゃ恒例になった。

わかったー今いくー

寝起きの声も聞きなれた。小学生の頃俺が引っ越して来てそれ以来 中、高も同じ学校だった。
方面が同じ事もあってなんとなく毎朝一緒に行くようになった。
クラスでも明るく誰にでも優しい性格からか人気者だった結愛は女子だけじゃなく男子からも常にモテた。
そんな結愛と毎朝一緒に登校してるだけで他の男子から羨ましがられるほどだった。

お前さーもう高校生なんだから一人で起きていけよー

いいじゃん!方面一緒だし。ついでだよ!ついで!笑
てか、みっ君好きな子できた?

いないよ。なんで?

ふーんべつにー

前髪を指先でクルクルしながら話す結愛の癖は小学生の頃から変わらない。

ねぇ今週日曜日暇?

なんで?

昨日お姉ちゃんが友達の結婚式で遊園地のチケット当てたんだけど時間ないからってくれたの。行こうよーどうせみっ君暇でしょ!笑

ふざけんな俺だって!

なんかあるの?

いや....べつに...

はいじゃぁ決定!!わすれないでよね♪

思えば昔から結愛の前じゃ俺の意見なんてあってないようなもんだった。

次の日も当たり前のように朝電話で結愛を起こした。

起きろよ。遅刻するぞ

ごめんみっくん全然準備できてないから今日先行っててー

頻繁にじゃないけどたまそうゆう日もあったからその日は先に一人で学校にいった。

ただいつもと違うのは昼前になっても結愛は学校に来なかった。

そんな事は初めてだった。