午後十時の駒川中野駅。


八尾南方面の電車がいつもよりも少し遅れた事による駅員の放送が、ホームに響く。


放送慣れしていないのか、言葉と言葉の間が長い。


大晦日の前日の冷えた空気が地下に流れ込み、溜め息を白くした。


お尻が冷たい。


【ごめん、やっぱり別れよ?】


LINEで送信するとすぐに既読の文字がついた。


【なんで?俺なんかした?】


会話の相手はクリスマスに付き合うことになった彼氏。


いや、元彼氏かな。


【ううん、私の方に問題があるねん。ごめんな】