下着と水着と僕

毎晩のように隣のバカップルのイベントに悩まされる僕。


そんな僕の悩みも知らず孝行は壁に耳を当てて興奮していた。


「和久、すげえよな!これって、ビデオ顔負けのリアルさだよ。いいよなぁ~」


「いいわけないだろ!寝られないんだよ」


「シッ!声がでかい。隣に聞こえるだろ」


軽く睨みながら、壁から離れる孝行。


「でさ、隣の姉ちゃんの顔も見たことあるんだろ?美人なのか」


「知らねぇよ」


「知らないことはないだろ?なあ、教えてくれよ~和久ちゃん」


ニヤけながらも、隣の姉ちゃんの顔が気になって仕方がない孝行。


「僕の立場になって考えてくれよ。問題があるのは隣のバカップルだけじゃないんだ」


「えっ!?隣だけじゃない」


「そうだよ。上も、横もな………」


僕はため息をつきながら、天井を見上げた。