下着と水着と僕

―――今から3週間前。


「ほほ~ぅ、ここが噂の部屋ですね」


【神宮寺孝行・ジングウジタカユキ】は興奮を隠し切れない様子で話しかけてきた。


僕の住むアパート………


ハッキリ言って、欠陥である。どこが欠陥かといえば、壁が薄い!!!


どれくらい薄いのか?それは…


「なぁ、和久。イベントはまだなのかよ?どっちの部屋なんだ?」


「左の部屋だよ」


「左ですか!では足音を立てずにそぉ~っと」


孝行は隣の101号室の壁に耳を押し当てた。


「あ~ん、だめだって~も~ぅ、イヤだぁ~」


「和久っ!始まったぞ」


孝行は鼻息荒く、僕に小声で言った。


―――そう………壁の薄さ。僕の住むアパートは隣の部屋の声が筒抜けになるくらい薄い!!!