「失礼しま~す。」

ガラッ…。


準備室には、三村先生しかいなかった。


遥香先輩のこと、聞いてみようかな?


イヤ、やめとこ。


「岡田?………その……色々ありがとうな。」


消え入りそうな三村先生の声だった。


「俺は…教師失格かもしれないな。本当に申し訳ないよ。松本とお前には…。」


寂しげな先生の顔…。

先生も、辛かったに違いない。

教師と生徒という、周りには認められない関係を選んだんだもん。
でも…人を好きって気持ちは止められないんだ。

お互いどんな立場にいようと。

あたしには、それがわかったから。


「先生、あたしたちは気にしてませんよ。それより、もうすぐ卒業式ですね。」