けれど彼らに関わりたくないから、大人しくやり過ごす。彼らに完璧なまでの無関心を示すわたしは、それゆえ彼らの名前すら知らない。
そんなわたしとは反対に、亜夜ちゃんは彼らについて詳しかったりする。


そして、その理由は……


「あんな男、好きだったなんて未だに屈辱だわ。……透華、絶対にあんな奴らに関わっちゃダメよ?」


まるで呪文のように、繰り返し言われる言葉に苦笑を返す。
あのグループにいる男の子の内の一人は、亜夜ちゃんの元カレらしい。酷い別れ方をしたらしく、亜夜ちゃんは徹底して元カレを拒んでいる。