私の愛した人は幽霊でした。

その後の話なども無事に終わり、クラス別

に別れることになった。体育館から出てす

ぐ脇にある陽気な陽射しを浴びている廊下

を「はぁ、(だるい。眠い。面倒い。)」

(こんなに天気のいい日は寝るに限るのにな)

と考え事をしながら、真新しい上履きをペ

タペタとならしながら歩いていたらいきな

り後ろから衝撃が来た。

「ドーン」

(なんでわざわざ言葉にしながら抱きつくんだろ?)

振り返りもせず前を見てると

「あ〜無反応だ〜ねぇねぇ、反応してよ〜私泣いちゃうよ〜」

「…」

「ねぇ〜」

「…とりあえず、後ろから大好きホールドしてくっつくの恥ずかしいからやめて」

「ぇぇ〜別にいいじゃない〜減るものでもないし〜」

(邪魔だから)

面と向かって邪魔とか言えないので心の中

だけで。今、私にくっついている一ノ宮紫

苑は県立葉桜高校の1年生で私の友達。

友達っていっても紫苑が私によく抱きつい

てきたり、抱きついてきたり、抱きついて

きたり…ってまぁ、抱きついて来るだけの関

係。それでも、周りの人から見れば仲良し

に見えるらしい…全然そんなことないけど

でも、紫苑が抱きつくのは私だけらしい。

詳細は定かではないが…

それと…

『一ノ宮さん』

後ろから見知らぬ男子の声がして紫苑が振

り向いたのを感じた。つられて私も一緒に

振り向くとそこにはふわふわな茶髪の髪、

髪の毛と同じ色の大きな目、背は170㎝以下

くらいと高校男子の平均身長には届いてお

らず周りの男子と比べると小さいついでに

声も男子にしては高く声変わりしていない

のかと思うほどだった。

(これで男とか…女と言われた方がまだ理解できる)

「何かな〜?」

紫苑は私に抱きついたまま白々しく首をコ

テっと傾げて聞いた。

(あぁ…決定。いつものアレですね)

今の紫苑の動作を見て首まで真っ赤にして

いる男子生徒を見て確信した。

紫苑はモテる。短い付き合いの間で嫌と言

うほど見させられた。今だって…

紫苑は、淡い綺麗な甘栗色の髪の毛をして

いて目の色は綺麗な茶色だ。髪の長さは肩

くらいまででゆるく巻いていてふんわりし

てる。顔も小顔で身長も145㎝と低い。小動

物で例えるならリスかハムスターだ。

それに比べて私は黒に近い焦げ茶色の髪で

目もあんなに透き通った茶色じゃない。

髪の毛の長さもセミロングぐらいでスト

レート、顔だって普通だし身長も151㎝と

平均身長に少しだけどどいてないぐらいだ

明らかに釣り合わない。

(紫苑はなんで私何かと一緒にいるんだろ)

疑問は疑問のまま、思考の海に沈んでいく

(どうして私なんかと?…)