「安堂くんの誕生日は10月だよね?
私もプレゼントあげたいな!
何が欲しい?」
そう尋ねると、「うーん」と考え込む安堂くん。
「欲しいもの、か……。
それじゃあ、ひなちゃんに下の名前で呼んでほしいな」
へ……?
「そ、そんなものでいいの!?」
「1度でいいから、名前を呼んでほしい」
「え……?」
思いがけない安堂くんの言葉と、どこか切なそうな瞳に、目を丸くしたその時、静寂を切り裂くようにピロロロ♪と携帯が鳴った。
携帯をポケットから取り出してみると、ディスプレイには《お母さん》の文字。
「あ、ごめんね!
ちょっと電話出てくる!」
「ん。 行ってらっしゃい」


