「あ……、また落ちちゃった……」
絨毯の上から拾い上げたのは、ピンク色のうさぎのキーホルダー。
「それは?」
「このキーホルダーはね、交通事故に遭った時、バックに入ってたんだ。
こんなキーホルダー買った記憶ないんだけど、私が好きなピンク色とうさぎだから、なんだか捨てられないんだよね……」
掌に乗せたキーホルダーを見つめる。
キミはどうして私のバッグに入っていたの……?
だけど、うさぎさんが喋ってくれることはなくて……。
───実は私には、事故の前のことがあんまり記憶にない。
お母さんは
『そんなの、すぐに思い出せるわよ』
って言ってたけど。


