「さーてとっ。
服も乾いたことだし、ゆっくりしてこっか?」
安堂くんが、さっきまでの表情とは一変、スッキリしたような笑顔で立ち上がり、伸びをする。
「へ?
だめだよ安堂くん、授業に遅れゃう!」
時計に目をやると、午後の授業開始まで、あと10分くらいしかない。
ゆっくりしてったら、授業始まっちゃうよ〜!
「いいじゃん?」
そう言って、焦ってる私とは正反対な余裕な様子で安堂くんがニコッと笑う。
そしてそのまま、すっと近づき、指で私の顎をくいっと持ち上げる安堂くん。
いきなり近づく安堂くんの顔に、ドキン…ッ、と心臓が跳ね上がった。