みるみるうちに、赤くなっていく先輩の顔。
怖い……。
だけど、ここで引いちゃダメだ。
さっきの言葉、取り消してもらうまでは…っ。
「黙りなさい……!」
そう叫んで、先輩は目を吊り上げたまま、近くに置いてあったバケツを持ち上げた。
そのバケツを見て、はっとした。
《園芸部》 と書かれたそのバケツの中には、たんまりと水が溜まっていて……。
「あんたなんか、びしょ濡れがお似合いよ!」
先輩が弧を描くように、バケツを私に向かって振りかざした。
だめ……っ
濡れちゃう……っ。
助けて、安堂くん……っ。
ぎゅっと目を閉じた瞬間、なぜか安堂くんの顔が浮かんだ。


