【完】好きになれよ、俺のこと。



腕を組んで、こちらに背を向けたまま、先輩がそれまでの静寂を切り裂いた。




「叶翔って、キス上手いのよ?」




「え……?」




突然の先輩の言葉に、思わず言葉を失う私。




「すごく情熱的なキスしてくれるの」




「………」




何か言おうと思うのに、喉がカラカラと締め付けられて、言葉が出てこない。




なんでだろう……。


なんで、胸がキュウッて痛いの……?




「なのに……。

なのに、あんたと絡んでから、叶翔は私と遊ばなくなったのよ!」




先輩がそう声を上げ、キッとこちらを振り返った。




その顔は、さっきまでの穏やかな表情じゃない。




全ての憎悪を私に向けてる、そんな表情だ……。