『…は、は、はじめまして……』 そう、ゼロからのスタートだ。 でも、ちゃんとはじめましてと言えた。 今、上手に笑えてるかな、俺。 笑顔、引きつってないかな。 『俺の名前は安堂叶翔。 君の名前は?』 『あ、飛鳥陽向です…っ』 初対面の俺に緊張してる陽向が可愛くて、本当は抱きしめたい。 好きだって言いたい。 陽向って名前を呼びたい。 だけど 陽向にとって俺は、〝今出会った男の子〟。 それなら〝安堂くん〟を演じてやる。