物音を立てないように近づき、そして確信した。




あぁ、やっぱり陽向だ。




そこには、しゃがみ込む陽向がいた。




久しぶりに姿を見られたそのことに、言葉にならないほどの嬉しさが込み上げる。




俺から会いに行こうと思ってたのに、偶然とはいえ、まさか陽向の方からこっちに来るなんて。




陽向の前にしゃがみ込むと、陽向は俺の気配に気づいたのか、顔を上げた。




その瞳は徐々に開かれ、そして驚きに染まった瞳に俺を映した。




もう、久々の再会だっつーのに、なんて顔してんだよ。




でもそれは間違いなく陽向で。




俺を忘れてしまったこと以外、何も変わらない、大好きな陽向で。