待ってと、呼びとめかった。 でも、突然ぽんと頭に浮かんだひとつの疑念が身体の動きを拒絶した。 ……まさか。 呆然として立ち尽くす俺の肩に、トン…と何かが置かれた。 はっと顔を上げると、そこにはおばさんが立っていて。 『叶翔くん……』 今にも泣きそうな苦痛に歪んだおばさんの顔を見て、これは夢なんかじゃないと嫌でも悟ってしまった。