次第に大きくなる不安の闇は、俺の心をすっぽりと覆い隠した。
……何かあったのか？
そう考えると心臓が嫌な音を立てて暴れ出し、俺は何を考えるよりも先に陽向の携帯に電話した。
しかし、電話は通じることなく虚しい機械音を鳴らし切れる。
陽向……。
居ても立ってもいられなくなり、陽向の家に行こうと思った、その時。
突然携帯が鳴った。
着信の相手は……陽向だ。
無事なんだよな？ 無事だよな？
焦る気持ちを抑えて電話に出ると、聴き慣れない声が耳に届いた。
『……もしもし、叶翔くん……？』
……陽向じゃない。
