【完】好きになれよ、俺のこと。



安堂くんのこと、またひとつ知れた。




なんでだろう。


ちょっと嬉しいな……っ。




「……今日出会ったばっかりだから、知らないこといっぱいだよね。

でも私……安堂くんのこと、もっとたくさん知りたいなぁ……」




…………って!


私ってば、何言ってるんだろう!




思わず変なこと言っちゃった……!




我にかえって、ひとりで恥ずかしくなる。




ほら、安堂くんだって、目を見開いて、驚いた顔をしてるじゃん!




「ご、ごめん…!

変なこと言って!」




でも、安堂くんの頬はいつの間にか、ほんのりと赤く染まっていて。




それを隠すように、口元を手で隠してる。




「やべ…、嬉しいんだけど。

俺だって、ひなちゃんに俺のこと知ってほしいと思ってる」




「え?」