【完】好きになれよ、俺のこと。



……完璧な彼女になりたかったの。




叶翔に釣り合うくらい、素敵な女の人になりたかった……。




でも、もうだめだ……。




叶翔に……


叶翔に愛想つかされちゃった……。




一粒涙が流れ、河原でひとりぎゅっと目を瞑った時。




『……陽向!』




突然声を掛けられて、振り向くと叶翔が立っていた。




『叶翔……』




走って帰ってきたのか、息切れをしてる叶翔。




そして私に向かって、何かを差し出した。




それは、ピンク色のうさぎのキーホルダー。