【完】好きになれよ、俺のこと。



「陽向ちゃん!」




突然後ろから聞こえたエンジン音に振り返ると、那月さんの乗ったバイクがこちらに走ってくるところだった。




そして、少し前方で止まったかと思うと、ヘルメットを投げ渡される。




「陽向ちゃんのお母さんからは、許可貰ってきた。

乗って!」




那月さん……。




私は頷くと、バイクの後部座席に飛び乗った。




那月さんの背中に掴まり、バイクで風を切っていると、叶翔と付き合っていた頃の思い出が、頭の中を駆け巡る……。




それはまるで、


ずっと溜め込んでいた記憶への想いを


取り戻すように───……。