【完】好きになれよ、俺のこと。



祈るように安堂くんの手を握りしめていると、ドアが開き、那月さんが帰ってきた。




「遅くなってごめんね。

もう遅いから、送ってくよ」




那月さんの言葉に、私は必死に首を振った。




「で、でもっ……。

私、安堂くんのそばにいたいです……っ!」




この手を離したくない。




目が覚めるなら、いつまでだって隣で待っていたい……。




だけど、那月さんは静かに首を振り、そして優しく微笑んだ。




「叶翔だったら絶対、陽向ちゃんを送ってって言うはずだよ。

自分のせいで陽向ちゃんが身体を壊すなんてこと、絶対望んでない。

陽向ちゃんだって、今日は疲れてるはずなんだから、帰った方がいい」




「那月さん……」