【完】好きになれよ、俺のこと。



校門を出たところで、安堂くんがいきなり立ち止まった。




私もつられて立ち止まる。




「安堂くん……?」




安堂くんは、何が起きたのか分からないままでいる私の方を振り返り、おでこをツンと小突いた。




「ばーか……」




「え……?」




「ひなちゃん、隙ありすぎ……。

まじで焦るっつうの……」




そう呟く安堂くんは、まるで拗ねた小さな男の子みたいで。