【完】好きになれよ、俺のこと。



あと…、1分……。




やっぱり、来てくれなかった……。




握りしめていたプレゼントをバッグにしまい、諦めて帰ろうとした、その時。




「ひなちゃん……!」




背後から聞き慣れた声が聞こえた。




うそ……。




一気に込み上げる感情を必死に堪えて、声がした方を振り向くと、安堂くんがこちらに走ってくるのが見えた。




そして、私の前まで来ると、膝に手を付き、はぁはぁ…と肩で呼吸をする安堂くん。




「遅くなって、ごめん……。

ちょっと、婆ちゃんのこと病院まで送ってたら、思ったより長引いちゃって」




安堂くんが……


来てくれた……。




息を切って、会いに来てくれた……。