【完】好きになれよ、俺のこと。



「そういうことだから。じゃ。」




安堂くんは涼しげにそう言うと、私の手を引き、下駄箱へと歩き出す。




廊下にいる安堂くんファンらしき女の子達が、こちらを見て「きゃあああっ!!」と高い声で叫んだ。




それと同時に


「陽向ちゃん!」


そう呼ぶ柊くんの声が背後で聞こえたけど、ずんずん歩く安堂くんに手を引かれているせいで、振り向けなかった。