【完】好きになれよ、俺のこと。



溢れる涙を止められないでいた、その時。




「…陽向ちゃん……?」




突然頭上から声が降ってきて、驚いて顔を上げると、そこにはサッカー部のユニフォームを着た柊くんの姿があった。




「柊くん……」




柊くんは何も言わず、泣きじゃくる私の前にしゃがみ込んで、スポーツバッグの中を探る。




そして、取り出したタオルを私の前に差し出した。




「これ、まだ使ってないから、使って?」




「しゅ……っ、柊くん……っ」




優しい声にまた涙が出そうになって、私はタオルを受け取った。




涙を拭っていると、柊くんが隣に座り込んだ。




「……安堂のこと、でしょ?」




ぽつりと呟かれたその言葉に、胸がまたきゅーっと苦しくなる。




やっぱり、柊くんには気づかれちゃったんだね……。




私は目を伏せたまま、静かに頷いた。