これでいいんだよ、陽向。 徐々にでも、少しずつでもいいから、前を向いていけば、気持ちだっていつの間にか整理がつくはず。 そう自分に言い聞かせ、下駄箱の扉を開けた。 と、その時。 扉を開けた反動で、コトッと何かが下駄箱の中で転がった───。 「これ……」 鼓動が速まる。 私は震える手で、それを取り出した。 私の手の上には、防犯ブザー。 ピンク色のうさぎの防犯ブザー……。 「……あ、んどうくん……っ」