「柊くん、ありがとう……!」
胸の前で手を合わせ、感謝の言葉を口にした、その時。
「お前にひなちゃんはやらねーよ。
俺のお気に入りだから」
そう聞こえたかと思うと、私の身体は後ろから抱きしめられていた。
「……っ////」
振り向かなくても分かる。
この甘い声、甘い香り……。
私を後ろから抱きしめて、そう言い放ったのは───安堂くんだ。
柊くんが驚いた顔で、私と安堂くんを見る。
柊くんにいろいろ説明したいけど、心拍数がそれどころじゃなくて。
「あ、安堂くん……っ?」
な、な、何が起こってるの……!?
突然のことに私の頭はもうパニック。


