「それで、陽向はこれからどうするの?
想いを伝えるの?」
私は静かに首を横に振った。
「ううん。
関わるのはもうやめるって言ったの。
私がいたら、安堂くんの幸せを邪魔しちゃうから」
「陽向……」
もし、自分の決意と反対のことを想ってしまったとしても、その気持ちは封印しなきゃいけない。
「でもそれじゃあ、陽向は……っ」
「いいの、私は。
安堂くんが幸せなら…それで」
その時、チャイムが鳴った。
1限が始まる予鈴だ。
「なっちゃん、聞いてくれてありがとう」
大丈夫。
安堂くんが幸せなら、それでいい。
そう自分の心の中で反復しながら、半ば言い聞かせるように、私はきっと過ごして行く。
たとえ、胸のモヤモヤが残っても……。


