【完】好きになれよ、俺のこと。



「……ねぇ、陽向。

これはね、あくまで私の想像だし、あんまり良くない考えだけど、」




ぽつりと、なっちゃんが静寂を破った。




「なぁに……?」




「もしかしたら、安堂くんが陽向の事故に関わってるんじゃない?」




「……え?」




「例えば、例えばだけど。

事故を起こした車を、安堂くんのお父さんかお母さんが運転してたとか」




「……っ」




思わず言葉に詰まる。




そんなこと……考えたこともなかった。




でも……それなら、辻褄が合う。




安堂くんが、私に優しくしてくれてたことと。




でも……、それに気づいたところで、今更確認しようとも思えない。




だって、安堂くんに彼女がいるって事実も、安堂くんが優しくしてくれていた理由も変わらないのだから。




結論は結局ひとつ。




私が安堂くんに抱いていた感情は、安堂くんにはなかった。


それだけ。