なっちゃんの姿が見えなくなり、私は振っていた手をそっと降ろした。
……ごめんね、なっちゃん。
本当はね、花火が嫌いなんて嘘なんだ。
だけど、嘘をついてでも、なっちゃんに彼氏さんと花火を見てほしかったの。
後夜祭の花火は、一緒に見た人と幸せになれるっていうジンクスがある。
でも私がいたら、なっちゃんはきっと気を遣って彼氏さんと花火を見ないと思う。
なっちゃんはそういう子だもん。
優しくて、困ってる子を放っておけないの。
だからね、なっちゃんに初めて嘘をついちゃった。
それでも、彼氏さんと2人で花火を見てほしい。
いつもいつも助けられてばっかりだから、私だってなっちゃんのためになることをしてあげたいの。
こんなことしかできないけどね。


