「陽向!」
ひとりで廊下を歩いていると、私の名前を呼ぶ声がして、顔を上げると、なっちゃんがこっちに向かって走ってくるのを見つけた。
「なっちゃん……」
なんでだろう……。
なっちゃんの顔を見たら、緊張してた気持ちが緩んで、すごく安心してる……。
私は、駆け寄ってきてきてくれたなっちゃんに、思わず抱きついた。
「陽向……」
なっちゃんは、何も言わずに、私の気持ちを全部分かってくれたみたいに、背中をそっとさすってくれた。
「柊くんに、言えたよ。
でも、人の気持ちを断るって、こんなにも苦しいんだね……」
「そうだね……」
それでも、私は安堂くんが好きで。
好きになってしまったらもう、この気持ちに嘘はつけないんだ。


