【完】好きになれよ、俺のこと。



その言葉に、狐さん───安堂くんは立ち止まり、そして観念したように、ゆっくりと狐のお面を取った。




「ばれた?」




そう言って、困ったように眉をちょっと下げ、くしゃりと髪をいじって笑う安堂くん。




私はこくっとうなずいた。




「ごめんね、急に連れ出して」




安堂くんはそう言って、自嘲気味に笑うけど。




でもね、私は……、




「来てくれて嬉しかった……」




そう呟いた、次の瞬間。




ぐいっと手を引かれたかと思うと、私の身体はふわりと甘い香りに包まれていた。




ほ、えっ……?




抱きしめられていると気づいたのと同時に、ぽぽぽっと熱を持つ頬。




な、な、なんで抱きしめられてるの!?