えっ…?
突然、後ろの方から聞こえてきた声に振り向くと、体育館の入り口に狐のお面をつけた人が立っていた。
《こ、これは、まさかの三角関係でしょうか……っ》
なっちゃんの上ずった声。
な、何が起こってるの……?
こっちに走ってきた狐のお面をつけた人が、混乱している私の手首を掴み、壇上の柊くんに向かって声をあげた。
「悪いけど、この子だけは譲れない」
ドキンッ……
「「「きゃーっ!!!!!!」」」
周りから上がる悲鳴の中、狐さんの声が耳に届いた。
「行こう」
私は……走り出していた。
ごめんね、柊くん。
狐さんに手を引かれるまま、それに抗うわけでもなく、自分の意思で走っていたの。
だって、お面の隙間から見えたんだ。
赤く輝くピアスが───。


