「あ、でもね、悪い噂もあって」
悪い噂……?
「中学の頃は女遊びがめっちゃ激しかったんだって……!
不特定多数の女をたぶらかしてたらしいよ?」
「そ、そうなんだ……」
「なんだかいきなりパタリと、女遊びしなくなったらしいけど、それでもやっぱりモテモテだから、女関係には困ってないだろうね」
安堂くん……。
今日会ったばかりで、彼のことはよく知らない。
だけど、そんな悪い人には見えないのに……。
その時、ピロロン♪と携帯の着信音が鳴った。
ポケットから携帯を取り出し、ディスプレイを見ると《安堂叶翔》の文字。
話をしていれば、安堂くんだ……。
恐る恐る携帯を開いてみる。
《放課後、遊びに行かねぇ?》
「早速来たか……」
一緒に携帯を覗き込んだなっちゃんが呟く。