「いいじゃん、ね、俺と遊ぼ?
いいこと…してあげるからさ?」
安堂くんの甘い声に、女の子達から黄色い悲鳴があがる。
ドクンッ……
目の前で繰り広げられる光景から、思わずバッと目を逸らしている自分がいた。
「陽向……」
「なっちゃん、行こう……」
私は逃げるように、人ごみをかきわけてその場から走り出した。
でも走っても走っても、さっきの光景が頭の中にこびりついて、心の中を何か真っ黒なものが支配する。
安堂くんのあんな姿、見たくなかったよ……。
安堂くんが他の女の子に触れていることが、許せなかった……。
なんで……こんなに胸が痛いの……?


