「教えてよー!」 「だーめ」 「むー! 安堂くんのいじわる〜」 むくれる私に、安堂くんはふっといたずらっ子みたいな笑みを浮かべたかと思うと、私の肩に手を置き、そっと耳に顔を近づけてきた。 「その代わりって言ったらなんだけど、今日一緒に帰らねぇ?」 「えっ…?」 ドキンッと心臓が跳ね上がる。 キャーッと女の子達が悲鳴を上げたことに気がつくほど、私の心に余裕はなかった。 「……も、もちろんです!」 そう答えるだけで、精一杯で。