もう一度キキの顔を見ると、ぽつりと言った。 「ウミの1年半はどうだった? 何か、あった?」 知らないうちに離されていた、キキの手がコードのように見えた。 同期が終わったのだと思った。 「キキと別れて、塾で今の彼氏と付き合って、慶應の商学部に受かったよ」 「そっか。前から行きたがってたとこだよな。おめでとう」 でも本当は、一橋が第一志望だし、今の彼氏とはキキとしてないこともいっぱいしてて、言うことはいっぱいある。 でも、伝えたいことは一つだけだ。