キキの言葉で、やっと分かった。 キキが別人のように勉強をはじめた理由。 わたしが変わったから、自分も変わろうと思ったのだ。 実際、わたしが一瞬分からなかったぐらいに、変わった。 信号が青になると、キキはわたしの手をとって、横断歩道を進みはじめた。 布ごしにぴりぴりとしたキキの肌を感じる。 からだの末端で互いの一部がやり取りされているような、そんな感覚。 「どこに行くの?」 「高いところ」 キキは何かに引き寄せられるように歩いていった。