地元の同い年の友達を見つけては駆け寄り、新年の挨拶と共に雑談を交わす。


友達との雑談にはつい時間を忘れてしまいそうになる。
時計をみるともう両親との集合時間間際になっていた。
今日はこれから祖父母の家にも行かなくてはならない。

いつもならば、両親に先に帰ってもらうと言うことも可能だが、今日はそれが出来ない。

「ごめん、私そろそろ行かなきゃ…」

時計から友人へと視線を移しながら冬黄は渋々といった表情をした。

「大丈夫だよ。
 最初からそう言ってたじゃん。
 気にしないよ。」

その友人の言葉に有り難うと返して両親の元へ向かおうとすると、友人は思い出したように言った。

「その黄色い振り袖似合ってるよ!」

私はそれにピースで答え今度こそ、両親の元へと急いだ。