黄色い髪に濃い緑の瞳。
花盛り真っ只中の高校1年生の福寿冬黄(ﾌｸｼﾞｭ ﾌﾕｷ)は今日友達と初詣に行く約束をしている。

そのせいか、元日を迎えあちらこちらで祝いの挨拶が聞こえる元旦をいつもに増して上機嫌で過ごしていた。


毎年の事ながら、元日の朝に地区の住民が集まって開かれる互礼会にも振り袖を着て出席した。

近年は和服で正月を過ごす人も格段に少なくなり、そんな中での冬黄は注目を集めていた。
でも本人もそれは気にならないため集まる視線を完全にスルーしていた。