君しかいない


「そうは言ってもなあ...」



告白のタイミングってどこにあるの?
わかんなすぎて...

二人きりとかなれるのかな?
翔の周りにはいつも絶対誰かいるし。
呼び出すのもなんだか申し訳ない。


そんなこと考えてたら、あっという間に夜の10時。
寝よう。寝る子は育つし。













「はよ、優。」

「おはよー翔。」

「寝不足?悩みでもあるの?」

ええ、あなたのことで悩んでました。

「翔ってさー、

好きな子とか、いるの?」


唐突にでてきた言葉。

「いないよ、いきなりなに?」

「なんか、気になったから」

「へー」

いないんだ。

ホッとしてる自分がいる。

「どうしたの?安心した?」

ニヤリと笑う翔。

余裕そうな表情が、すごく大人っぽい。

「うん。安心したよ。」

ポロっと口を出たひとこと。
でもなぜか、否定する気はないんだよなあ。

本心、だし。

別に、意味深じゃないし。


「なに言ってんの」
なんてヘラヘラと笑いながら、
鞄をかけて座り直す仕草までかっこいい。


なんで、そんな思わせぶりなんだろう。