結局私が読んで、先生が探すことになった。
見つけた本は私が持つのだが…重い。
こんな沢山の勉強をするのかと思うと不安になる。
エルンダムさんのために良い成績を出さなければならない。
半分ほど見つけたところで店員さんが駆けつけてくれた。
本屋さんは大体の場所を把握しているそうだ。
「えと…『季節の薬草図鑑』」
「…はい。ありました」
「あ、終わりです」
山のような書籍を抱えて会計に向かう。
農作業で鍛えられてたと思っていたのだが、分厚い本たちに負けた。
持ち運べるのかと考えてしまう。
「金貨1枚です。」
「…はい。」
「教科書はワブフォードへお届け致しましょうか?」
「お願いします。」
「承知致しました。ありがとうございました、またお越しくださいませ。」
お届けということは運ばなくていいのか。
ひと安心だ。
本棚の間を抜けて店外に出る。
日が高く昇っていた。
もう1時間は本の大捜索をしていたことになる。
さすがに疲れたのかアーサー先生が一度身体を伸ばす。
「あとは日用品だな。ワブフォードには店ないからな。
いるもん買っておいた方がいいぞ。」
「いるもの…」
「そうだな、家具とかは全部あるな。
あー、マグカップとタオルとかあった方がいいな。
あとヘアゴム買っとけ。その髪剣術の時邪魔になるぞ」
バサッと私の髪を払って歩き出す。
なるほどその考えはなかった。
