制服の仕立て屋さんは、背が低い私よりさらに低い。
台を合わせると頭一つ分ほどは違う。
にも関わらず身長や腕の長さ、肩幅なんかをてきぱきと手早く測っていく。
5分程で10以上ある項目を全て測り終えた。
「うむ、3時間は掛かるな。昼頃取りに来ると良い」
「わかりました。」
マントを羽織ると店の外に出る。
制服ってどんなものなんだろう…どきどきする。
「次は文具だ」と言って入ったお店は、壁一面に羽根ペンが飾ってあり、部屋の中央には4つの丸テーブルがある。
その上にはカラフルなインクや羊皮紙、紙、定規が所狭しと並んでいる。
「いらっしゃいませー…あ、アーサー君だ」
カウンターの奥にいた女性が駆け寄ってきた。
アーサー先生と同じくらいの歳かもしれない。
「こんちはっ」
「おー、4月ぶり!…学校は?」
「こいつのお守りだ」
ガシッと頭を掴むとわしゃわしゃする。
「あ、女の子の髪は命だよ!」
プクッと可愛らしく頬を膨らました女性は、
スラッと長い脚を曲げて私とは視線を合わせた。
「初めまして。私メアリー。
アーサー君の先輩よ!貴女は?」
「えっと…初めまして。シーファと言います。」
「シーファちゃんかぁ。ワブフォード入学するの?」
「はいっ」
顔を離してニコリと笑う。
「ふーん、それでお守りかぁ~。大変ね」
「別にこいつ大人しいからそんなでもねーよ」
「ふーん…」
違和感ある笑みを浮かべながら近くのテーブルに近付く。
手にしたのは編み籠だ。
それを私に手渡してくれた。
「買いたいのここ入れてね!」
そう言ってカウンターの奥に戻っていく。
姿が見えなくなると、アーサー先生が眉を寄せた。
「悪いな。別に悪い人じゃないんだ」
「?…はい」
